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2011年7月 2日 (土)

宇宙の効用

「『宇宙』って、我々の生活にどんな風に役に立って、どんな意味があるの?」
こんな質問を良く受けます。
私が初対面の人に良く言われるのは、「夢があって良いお仕事ですね!」
JAXAは、国の機関なので、国から予算をもらって活動しています。JAXAのプロジェクトには、それぞれ必要性や緊急性があって、我々の生活に役立つ、ということが認められて予算がつくのだけれど、宇宙には、JAXAがやっている研究開発のみならず、人々の役に立っている側面がいっぱいあるはず。
そんな思いから「宇宙の効用」と題して、今後、「宇宙」と関わる意味をいろいろ書いてみたいと思います。

 

で、今回は、宇宙の「目線」の効用。
私は学生時代登山をやっていて、一年の1/4位は山の中にいました。私はあまり良い学生ではなかったので、下界(「地上」のことをそう呼んでいました。)にいると、人間関係や仕事(バイト)のことなど、いろいろ悩みも多かったのですが、そんな時には山の上から町を見ます。
山の上から町を見ると、眼下には沢山の家が広がっています。その一つ一つの小さく見えるお家にいろんな人が住んでいて、いろんな人生があって、いろんな諍いや楽しみがあるんだなあ、とか考えると、なんか狭い範囲でいろいろ悩んでいた自分が小さく見えてきて、もっと大きな視野で物事を考えよう!って気になります。
私にとっては、山は、小さなことから自分を解放する場でした。
そして、山より高いところに行ってみたくて、宇宙の仕事につきました。
その後、毛利宇宙飛行士が宇宙に行って、人の目線での宇宙からの地球を見せてくれれました。それは、山からでは気づかない、国境のない地球でした。 
そう、宇宙から地球を見ると、国境のない、薄い大気の層に守られて、そんな中で人類が一所懸命暮らしているのです。
宇宙ステーションの中で、各国首脳が集まってサミットやったら、戦争なんかやめて、地球を大事にすることをみんな真剣に考えるのではないか、と社内の人とよく話したものです。
まあ、そんな大きい話でなくても、日常の些細な事がつまらなく思えてくるかも知れません。宇宙は人々の心を大きくします。
宇宙の効用として、まずは、そんなことを考えてみました。

 

閑話休題

 

第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)というちょっと難しい名前の人工衛星が愛称募集を始めました。
https://www.gcom-w1-campaign.jp/
この衛星がどんな効用を持つかは、別の機会に説明するとして、少なくとも自分の名付けた衛星が宇宙に行くって、ワクワクしますよね。ワクワクしたい方は、是非ご応募くださいませ。


 
  

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コメント

はい、そして、常に大きな心をもっていたいと思っています。

投稿: いはもと | 2011年7月28日 (木) 10時56分


 こんばんわ。

 スペースシャトル打ち上げ
 無事成功してよかった~。
 本当に感動しました!

 宇宙は人の視野を
 広げてくれますよね。

 

  

投稿: そら | 2011年7月17日 (日) 20時50分

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