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2011年7月12日 (火)

宇宙の効用(その2)~液体水素

7月9日に、スペースシャトル・アトランティス号の最後の打上げがありましたが、みなさんご覧になりましたか? 私は、JAXA相模原キャンパスで「宇宙教育テレビ」の生配信を通して、放送をご覧になっている仲間と一緒に打上げを見ることができ、感無量でした。心に焼きつくフライトでした。

http://www.youtube.com/watch?v=qNXOFPILRmQ&feature=channel_video_title

 

さて、そんなこんなでバタバタしている先週でしたが、相模原キャンパスの他に、北九州にも出張があり、その際、北九州水素タウンを見てきました。

北九州水素タウンは、将来の水素エネルギー社会を目指し、製鐵所で製造された水素をエネルギーとしている街です。水素燃料電池ハウスには、実際に人が住み、燃料電池自動車に液体水素を補充するための、ステーションもありました。

http://www.f-suiso.jp/kitakyushu_Hytown/pdf/sestubi.pdf

燃料電池アシスト自転車にも乗せてもらいましたが、とても快適です。現在、燃料電池自動車も開発もどんどん進んでいますが、これからは、燃料電池の時代ですね。

 

ということで、前置きが長くなりましたが、今日の宇宙の効用は「液体水素」です。液体水素は、燃料電池のエネルギーの源で、現在、クリーンエネルギーの候補として、注目を集めています。昨年までに日本全国に14か所の水素ステーションがつくられ、燃料電池(水素)自動車の普及が期待されているところです。

で、何故、液体水素が、宇宙と関係あるかというと、みなさん既にご存知の通り、ロケットの燃料でもあるからです。H-IIAロケットは、液体水素を、液体酸素で燃焼させて、宇宙に行きます。この液体水素は、H-Iロケットの頃からロケットの燃料として使われています。

実は、日本で液体水素の製造が始まったのは、1958年なのですが、実用的に使われ始めたのは、1976年頃からの宇宙開発事業団(NASDA)でのロケット開発のための利用で、1978年頃に本格的な水素製造工場が稼働し始め、1986年には液体水素を燃料に、H-Iロケットが打ち上がりました。この頃の液体水素は、全製造量の90%をNASDAが利用していたそうです。

現在は、液体水素はクリーンエネルギーとして注目を浴び、JAXAの利用は、国内の全製造量の10%程度になってしまったそうなのですが、要は、ロケットが、最初に、液体水素を燃料として使い始め、その結果、製造設備が本格化し、たくさん液体水を作れるようになったので、現在のように燃料電池のエネルギー源として、日本各地でも利用されるようになってきたのです。

これは、ある意味、宇宙開発があったからこそ、液体水素の普及が進んだといえます。ということで、水素社会は宇宙の効用と言ってもいいのではないでしょうか。

 

最後にお知らせですが、今月初めから、「JAXAオープンラボ公募」の提案募集を始めました。この公募は、宇宙・航空発の技術を使って、我々の生活などに役に立つビジネスを提案するものです。8月2日まで募集していますので、興味ある方は、ホームページをのぞいて見て下さい。

http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/offer/about.html

 

 

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コメント

なみへいオヤジさんも最後までつきあっていただいてありがとうございました。この三連休は久しぶりにゆったり過ごしています。

投稿: いはもと | 2011年7月16日 (土) 11時19分

忙しい中 シャトル打ち上げ配信 深夜遅くまでお疲れ様でした

投稿: なみへいオヤジ | 2011年7月14日 (木) 11時24分

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